2016年度の活動を紹介します。
2016年12月11日に高円寺pnditで開催された一夜限りの傑作ロシア映画ナイトにエイゼンシュテイン・シネクラブ12月例会として、参加しました。ロシアでの年末恒例作品となっているラブコメディ、エリダル・リャザーノフ監督の「運命の皮肉」('75)の続編として作られたチムール・ベクマンベトフ監督の「続・運命の皮肉」('07)を鑑賞し、本会代表の井上徹、ロシア雑貨店パルク店主渡辺裕美さんのロシアにまつわる色々なお話を伺い、その後参加者の皆さんと楽しく交流しました。
今回の例会は第二次大戦期に製作された牛泥棒という作品を題材に、ファシズムの時代と現在を考えました。
2016年6月18日に文京シビックセンターにて、エイゼンシュテイン・シネクラブ (日本) 第277回例会を開催しました。
今回の例会は、本会会員で日本映画復興会議幹事でもある平沢清一さんに家城巳代治監督についてお話をうかがいました。
2016年5月14日に新宿区戸塚地域センターにて、エイゼンシュテイン・シネクラブ (日本) 第276回例会を開催しました。
4月 (第275回) 例会「そもそも映画って…(1) - 映画の始まりを考える」
2016年4月23日に文京シビックセンターにてエイゼンシュテイン・シネクラブ(日本)第275回例会を開催しました。
今回の例会は本会代表で映画史・ユーラシア文化研究者の井上徹が現在の映画状況を考える基礎として、映画とは何かを考えていく「そもそも映画って…」のシリーズ第1回として、映画の始まりについての講演を行い、その後会員による議論を行いました。
動きの記録と再現は1万5千年以上前に描かれたと言われている洞窟壁画にも動物の動きを描いたと思われる絵があるなど、太古の時代からの夢でした。それが19世紀、産業革命に始まる科学技術の進歩により見たものを記録する写真術と複数の静止画を連続して提示することで動きを再現する技術とが組み合わさって映像が開発され、産業革命とともに到来した大衆社会に向いていたスクリーンに映像を投影する方式が産業としても成功し、映画という新しいメディアが誕生しました。
このように映画は動きを記録、再現するという欲求を実現する技術と、多くの観客に見せることで費用を回収していく興行の仕組みを不可欠の要素としてきました。
そして現在の映画を考えるには、技術的な側面だけでなく、興行面とその前提となる社会がどう変わってきたかを考えていかなければならない、そういう問題意識を持った例会でした。
2016年3月19日に文京シビックセンターにてエイゼンシュテイン・シネクラブ(日本)第274回例会を開催しました。
今回の例会は本会代表で映画史・ユーラシア文化研究者の井上徹による作品解説と映画作品の上映を行いました。
2016年2月27日に文京シビックセンターにてエイゼンシュテイン・シネクラブ (日本) 第27回定期総会を開催しました。
定期総会は本会代表で映画史・ユーラシア文化研究者の井上徹に基調報告の後、昨年度の活動の総括と今年度の活動計画に関する議案の討議を行いすべての議案を可決しました。
基調報告では、日本の映画産業の現状とエイゼンシュテイン・シネクラブの活動との関係について話がなされ、その後有益な議論がなされました。
映画製作における制作費の削減が人件費やスタッフ数の削減につながっていて、それが作品のクオリティーの低下につながっている。例えば、デジタル化によって照明の不足をデジタル技術で補えるようになったことで、これまで蓄積されてきた照明のノウハウが失われようとしています。このような変化は映画製作の様々な役割において発生していています。
このような変化の中で映画のプロフェッショナリズムを読み解いて伝える映画論がとても重要になってきている。すなわち作品研究と製作教育の統合、作ることと分析することが相互に高め合う関係が必要になっていて、私たちエイゼンシュテイン・シネクラブの研究もこのような枠組みの中で進めていくことを考えています。
基調報告に対する議論では、映画とは何か、映画作品といわゆる「映像」作品の境界はどこにあるのか、映画・映像の世界で野球のプロとアマチュアの差と同じような差があるかといった基調報告でも提起された映画論について様々な意見が交わされました。